2017年2月19日
[映画]
東京郊外にあるどら焼きの店「どら春」
お客の女子中学生たちがパッタリ来なくなった.
春からここで働いている徳江(樹木希林)が、らいの患者だったことを知ったのだろう.
大人の客は少し減ったが、以前どおり買いに来る客もいた.
しばらくして、中学生のワカナ(内田伽羅)が一人だけ店に来て、いつものようにどら焼きを食べた.
それから、ワカナは以前と同じように店に来た.
ワカナも徳江も店長の千太郎(永瀬正敏)も、らいの話はしなかった.
「店長さん、あの、わたし店をやめようと思うの
と徳江が言う.
「前ほどお客が来ないし、店長さんも、あんの作り方を覚えたみたいだから
しばらく黙って
「わたしの体の中に、らい箘はないのだけど、ほら、こんな障害、気にするヒトがいるのよ
と曲がった手をさする.
初めてらいの事を言った.
「大丈夫、よくあることだから、どうもありがとう、働けて楽しかったわ
秋
千太郎は、毎日どら焼きのあんを作る.
ある日、圭子(市原悦子)という女性から手紙を受け取る.
徳江と同じ住所だった.
徳江が体調を崩していると書いてあった.
千太郎とワカナは、初めて徳江の住むらい園へ行く.
圭子は、徳江が三日前に亡くなったと告げる.
「どら春を気にしていたわ、店長さん、ちゃんとあんを作っているかって
春
クレープとどら焼きの店に改装した「どら春」
今日もやって来た客が言う.
「この店、やっぱりクレープよりどら焼きよね
「毎度ありぃ
千太郎の笑顔でエンド.
以上は私の「妄想シナリオ」であります.
元の映画と少し違う.
この映画の作者は、らい病にも、どら焼きのあんこにも、登場する人物の誰にも、興味を持っていないと感じる.
樹木希林はとても魅力があるのにもったいない.
永瀬正敏は元気がなくてもったいない.
それで、妄想の挙句、ほんとうにこんなストーリーだったような・・気がしてきた.
ありありとそれらのシーンが目に浮かんで来る.