錆びたナイフ

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2013年3月10日
[映画]

「RENT/レント」 2005 クリス・コロンバス

「RENT/レント」


ニューヨークでアパートの家賃(RENT)が払えず追い立てをくらっている若者たち.
みんな夢に向って生きている、のだけれど、少しちがう?
ジャンキー(麻薬中毒)でもHIVでも男でも女でも、
愛して/愛されていればいい.
AIDSが不治の病だった1980年代
(いや、病気であろうがなかろうが、同じことだ.)
ここしかない、今しかない、私たちしかいない、と歌って叫ぶ.
(だからまるのまま、世界を認めろ!)
レズビアンでも結婚式をやるし、麻薬もやめないし、人を愛することもやめない、絶望しているヒマはない.
ある種の居直りである.
人間にそれ以上のことがあるなら、見せてみろと言わんばかり.
これがアメリカ映画の一番の上質さだ.
アパートが再開発でビルに変わる「夢」なんて見向きもしない.
身近なことしか言わない、裏も表もない、なぜなら、
君か、オレか、あいつか、あすもうこの世にいないかもしれない、のだから.
こういう映画はアメリカにかなわない.
おかまのエンジェル、ウィルソン・ジェレマイン・ヘレディアがいい.


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