錆びたナイフ

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2013年2月23日
[映画]

「アウトレイジ」 2010 北野武

「アウトレイジ」


怒鳴って、凄んで、殴って、殺して
新編・仁義なき戦い
誰もが声を荒げて怒鳴っている.
スゴまない三浦友和と、怒っても何処やら情けない石橋蓮司がいい.
(一番怒るのヘタなのがビートたけし)
女たちは添え物で全く生彩がない.
義理も人情も兄弟の杯もあったものではない、
人間の組織内でここまでやったら当然総崩れで、
みんな死んじまう.
裏切りと復讐と暴力だけの世界に、
生き甲斐などあるのだろうか.
誰に肩入れしている訳でもない
悲劇でも喜劇でもない
狙われたら決して逃れられないゲームが既に始まっている.
ポキポキと折れる生命
撃たれれば死ぬだけ「のように」描いている.
これ以上でも以下でもないでしょ
とでも言うように・・
北野武、映画作法は抜群に上手くなった.

結局何者でもなかった小悪党のアフリカ大使が、
最後にピースサインすればいいのに
と、私は思う.


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