線路幅(ゲージ)と縮尺(スケール)の話は奥が深いのですが、
私が理解した範囲でちょこっと説明します。
東京近郊で見られる本物の鉄道のゲージに、どんな種類があるかというと、思いつくままに、
鉄道例 | フィート | mm |
新幹線、京浜急行、地下鉄丸の内線 | 4フィート8と1/2インチ | 1435mm |
京王帝都京王線、都電荒川線 | 4フィート6インチ | 1372mm |
JR在来線、西武新宿線、小田急線 | 3フィート6インチ | 1067mm |
東京ディズニーランド ウエスタンリバー鉄道 | 2フィート6インチ | 762mm |
4フィート8と1/2インチ = 1435mmが標準ゲージです。
これより狭い線路は狭軌(ナローゲージ)ですが、全国的には、3フィート6インチが圧倒的に多数で、
日本では普通2フィート6インチ以下をナローと呼んでいます。
2フィート6インチは、かつて「軽便」と呼ばれて日本全国にありましたが、
現在、実用の鉄道としては、関西の近鉄北勢線などしか残っていません。
上の写真を見て、なぜかドキッとする人は、ナロー好きです。
呼名 | 縮尺 | 備考 |
1/4スケール | 1/48 | アメリカ NMRA |
Oj | 1/45 | 日本 |
7mmスケール | 1/43 | 英国 |
実物の1フィート(FOOT)を模型上の長さで表示して、これを縮尺の呼び名にします。
1/4(4分の1インチ)スケールというのは、1フィートを1/4インチに縮尺します。
Ojというのは日本だけの規格で、1067mmを24mmで表現します。
英国を中心に7mmスケールという規格があって、Oスケールの一種と考えられます。
呼名 | 実物のゲージ | 模型のゲージ | 線路の縮尺 | 備考 |
O | 4フィート8と1/2インチ | 32mm | 1/45 | 標準ゲージ |
Oj | 3フィート6インチ | 24mm | 1/44 | 日本型 |
On3 | 3フィート | 19.1mm | 1/48 | 実物912mm |
On30 | 2フィート6インチ | 16.5mm | 1/46 | 別名 On2 1/2 |
実際の模型のゲージは、市販の線路幅に依存する傾向があるので、上表のようになります。
縮尺がバラバラですね。
要するに、1/43〜1/48の縮尺を、世間的には Oスケールと呼んでいるようです。
市販のフレキシブル線路を並べてみました。
左の4本がOスケールの線路です。
On3からナローらしくなって、On30はトロッコ線路という感じです。
HOのローカル線路(Code100)はOスケールでも使えそうです。
On30にHOのレールを利用すると、ポイントでフランジが乗り上げたりするケースがあります。
同じ線路幅と言っても、縮尺が倍違うので要注意です。
左がOn30、右がOn3の機関車です。
線路の雰囲気が違いますね。
米国のナロー鉄道は3フィートゲージが多いので、昔からOn3が盛んでした。
最近On30が流行ってきたのは、精密な模型というより、ナローの雰囲気を楽しむ、
という人が増えてきたせいでしょうか。
バックマンOn30車両のカップラ高さは、HO 16.5mmと同じにしてあるようです。
現在のNMRA規格にあるOスケールは、標準OとOn3とOn2だけで、
On30はまだ正式規格にはありません。
メーカー先行で製品が出て、これから正式な規格が決まるのかも知れません。
2004.Apr.26 -D-