PSC MMI の K-27 を DCCサウンド化する

PSC-MMIのOn30 K-27

米国のPrecision Scale Company - Mountain Model Importsから発売された、
On30のK-27です。
アナログDCでも音が出るというふれこみでしたが、実際は音が出ず、
サウンドユニットを交換しました。



オリジナルのテンダーの中身
オリジナルのテンダーの中身です。
スピーカとサウンドユニットが入っています。
水色のボリュームを回すとモーターの起動と音を調整できる(らしい)のですが、
ガリガリ雑音が出るだけです。


メーカー指定のDCCモーターデコーダ
メーカー指定のDCCモーターデコーダはNCE社のD18SR-PSC
価格は27.5ドル
これを接続すると、DCCで汽笛とベル音は出るようになりましたが、
排気音は相変わらず雑音でした。
(ヘッドライトとキャブ灯電球が低電圧なので、
このデコーダを使う時は、電球に120Ω2Wの抵抗をつなぎます。)


動輪のコンタクト接点 接点のフォトカップラ
第2動輪にコンタクト接点がついています。(左)
この接点にはフォトカップラらしきものがついています。(右)
試みに接点を直接ONにすると、本来「連続音」になるべき排気音が「断続音」で出ます。
同時に購入した2台とも同じ症状なので、サウンドユニットの不良と思われます。
なお、本体分解の方法は、
http://www.ngtrains.com/Pages/PSC/K27_outboard/K27_tips.htm
に出ています。
(キャブ右下から台枠へつながっている逆転棒は、先端のY字部分をこじれば外れます。)


交換完了したテンダー内
サウンドユニットをSOUNDTRAXX社のK-27用デコーダと交換し、
フォトカップラを外してコンタクト接点直結としました。
スピーカも一回り大きなものに交換。
モーターデコーダはNCE製をそのまま利用しました。
オリジナルから利用したのはキャブへのリード線だけです。


前照灯に発光ダイオードを組込む
加工中に前照灯の1.5V電球を切ってしまったので、発光ダイオードに交換。
ライト台座の下穴を広げて入れます。
ダイオードの上部を斜めに削っています。


キャブの天井灯と火室扉の穴開け 火室内の赤色発光ダイオード
ついでにキャブの天井灯を黄色発光ダイオードに交換。
さらに火室扉に穴を開けて、中に赤色灯を入れました。
(キャブのバックプレートは真鍮の塊で、かなり硬く、穴開けは大変でした。)
右は火室内の赤色発光ダイオードです。
NCE社のデコーダにはFireBox flickerというライト機能があり、
石炭がチラチラ燃えているような効果が出ます。
前照灯とキャブ天井灯はデコーダのヘッドライト回路、火室内灯はリアライト回路を使いました。
3ヶ所の発光ダイオード用の抵抗は、光量によって640Ω〜2kΩを使いました。

デコーダ設定

モーターデコーダNCE D18SR-PSCの設定
CV番号初期値変更値変更内容
CV02020スタート電圧
CV050180 最大電圧
CV06080 中間点電圧
CV120144 6番ピン ヘッドライト/天井灯 後進減光
CV12124 2番ピン リアライト 火室フリッカ

サウンドデコーダSOUNDTRAXX DSX-824208の設定
CV番号初期値変更値変更内容
CV50815音量Max
CV51190188エアポンプ音、給炭音停止
CV527068DDE disable*, CAM enable
CV5301アドレス指定で音出し
CV5582排気音トーン下げ
CV56255255排気音 音量Max
* DDEをdisableにすると、排気音が少し大きくなります
これらのCV値は、NCEもつないだ状態で、
PAGEモードでセットできます



カーブ対策

テンダーの配線出口を広げる テンダーの内部を削る ドローバーを加工する
On30は第2,3動輪がフランジレスになっています。
それでもHOの6番ポイントを通過できません。
対策として、
ワイヤーが多少左右に動くように、テンダーの配線出口左右を削ってハの字に広げます。(左)
ビスにハンダづけしたワッシャで、ドローバーを5mmほど延長し、
ドローバー止めネジのスプリングも外します。
キャブの踏み板がテンダーとぶつからないように、テンダー側の床に踏み板の支え板を貼ります。(中)
これでKATOユニトラックHOの550R曲線と4番ポイントもなんとか通過できます。
なお、テンダーの石炭ピット底が内部の部品を圧迫するので、配線出口の天井を削りました。(右)


カップラ

On3とOn30のカップラ高さが合わない HO用のカップラを取付け
テンダーにはOn3用のKadee#803カップラがそのまま取付けできます。
でもOn3のカップラ高さは14mmなので、
バックマンのOn30製品のカップラ高さ10mmと合いません。(左)
カッコ悪くなるのですが、#803のポケットにHO用の#45をつないで取付けました。(右)



走行
QuickTime動画
(QuickTime動画 33.2MB)



製品
On30(左)とOn3(右)
この機関車、ダイキャストと真鍮ロストワックスの全金属製で、
全長38cm、重さは(子供には持てない)2.2kg、箱の大きさは29x37x17cm
On30(左)とOn3(右)の両製品があります。
On30は線路幅(ゲージ)が実物より狭いのですが、あまり気になりません。
(On3の最低通過可能曲線は半径34インチ(863mm)程度だそうです。)
サウンドこそ不良だったものの、この地を這うようなプロポーションと走行は見事です。

On3とHOn3の比較
箱の上にのせたOn3のK-27と、比較用のHOn3のK-36(下)

購入
2004年2月にインターネット経由でアメリカの販売店に2台予約。
1台384ドルでした。
2005年6月に製品が届きました。
クレジットカードの支払い送料税関等すべてを含め総額93,325円でした。
1台47,000円以下ですので、この内容にしては驚異的な低価格です。

K-28
2006年6月、同シリーズで発売されたK-28です。
同シリーズのK-28
サウンドユニットは付属せず、テンダー内はカラッポ。
コンタクト接点はついています。
今後の製品が楽しみです。


2006.Aug.27 -D-