米国MRC社の最新サウンドデコーダを入手しました。
バックマンのOn30カブースに組み込みます。
Digitraxの「連結」制御を使って、一番手軽にDCCサウンドを実現してみます。
デコーダの型番は、Item 1627
「HO Gauge Synchronized Steam Sound Decoder with 12 Sound Functions」
とうたっています。
WALTHERSにインターネットで注文して、1個だけ送ってもらいました。
デコーダ約60ドル、送料12ドル 計約¥7,900ほどかかりました。
モーターとサウンドデコーダが一体になっています。
ユニットの大きさは、50x18x6mm
直径28mmのスピーカが付いています。
コンタクト接点はなく、排気音の間隔(Chuff rate)は、スロットルに同期します。
バックマンOn30カブースの中を開けてみると、驚いたことに、家具が付いています。
窓からはほとんど見えませんし、スピーカを乗せるためもあって、ストーブ以外全部外します。
台車の止めネジを外すと、床板が分離できます。
ウェイトの金属板は外します。
このカブースは室内燈付きで、そのための集電接点が台車についているので、これをデコーダで利用します。
スピーカは直径40mmのFOSTER製に変更します。
このため、床板に音を出すための穴を開けます。
SL側のモーターを制御する場合を考えて、8Pコネクタを床下前方に出す穴も開けます。
室内燈をデコーダのライトに割り当てると、後進時に消灯してしまいます。
そこでキューポラ内に12V電球を追加して、これを後進時ライトにしました。
デコーダには7本の配線があり、8Pプラグがついています。
モーターを制御する場合を考えて、このプラグを受けてそのまま床下前面まで延長する配線をします。
配線には、台車からの給電線と、ライト用の3本をつなぎこんでいます。
また、ライトコモン線には、100Ωの抵抗をつないで電圧を下げています。
デコーダはDigitraxのページモードで設定できます。
ただし、モーターがつながっていないと設定ができないので、
写真のように、床下前面に出した8Pコネクタの1,5番ピンに、200Ωのダミー用抵抗を差し込みます。
このまま走行すると抵抗がかなり発熱しますので、設定が終ったら、抵抗は外します。
アドレス以外で調整の必要があるCV値は、以下のようなものです。
CV番号 | 初期値 | 変更値 | 変更内容 |
CV2 | 0 | 0 | スタート電圧 0〜32 |
CV5 | 0 | 0 | 最大電圧 0〜32 |
CV50 | 0 | 1 | 汽笛の種類 0,1,2 |
CV51 | 0 | 0 | エアポンプ種類 0,1,2 |
CV52 | 31 | 0 | 音量 0,31 |
CV64 | 15 | 31 | 排気音周期 0〜31 |
排気音周期は、スタート電圧と最大電圧をセットした上で、調整します。
動輪が1回転で「シュッシュッポッポッ」となるように、CV64の値を決めるのですが、最大31よりもうすこし大きくしたいところです。
音量は大小の2種類しかありません。
製品には説明書が1枚付いていて、その他の情報はNMRAのホームページを見ろ、と書いてあります。
MRCはホムページがないらしいので、デコーダ設定はこの説明書が頼りです。
Digitraxは「連結」と呼んでいますが、複数の車両を1つのスロットルで制御することができます。(Multiple Unit Consisting)
いわゆる総括制御による重連運転です。
今回はこのサウンドカブースに、アナログのSLを「連結」します。
こうすると、アナログロコに手を加えることなく、をあたかもDCCサウンド化したように運転することができます。
「連結」方法
DigitraxのDCS50Kコマンドステーションの場合は、次のようになります。
速度と前/後進は「連結」した車両に共通ですが、ファンクションキーを制御できる車両は1輛だけで、この車両のアドレスをTOP動力車アドレスと呼びます。
まずTOP動力車アドレスとしてこのカブースのアドレス(例12)を選択します。(「LOCO」,「12」,「LOCO」の順に押す。)
次に「MU」ボタン,「0」,「+」の順に押します。
これでアドレス12と 0とが「連結」しました。
スロットルのノブを回すと、ロコが動き出すのに合わせて、カブースから排気音が出ます。
「連結」を解除する方法も忘れずに覚えてください。
「LOCO」,「0」,「MU」,「-」の順に押します。
DigitraxのDT400スロットルの場合は、Rノブに 12、Lノブに 0を選択し、
「MU」,「+」の順に押します。
「連結」した側に「cn」という表示が出ます。
解除する場合は、Lノブに 0を選択し、「MU」,「-」の順に押します。
DigitraxのDT300スロットルの場合は、Rノブに 12、Lノブに 0を選択し、
「MODE」キーを2回押して「MU」モードを表示させ、「+」を押します。
解除する場合は、Lノブに 0を選択し、「MODE」キーを2回押して「MU」モードを表示させ、「-」を押します。
既に「連結」されている車両を再度「連結」させるとエラーになります。
「連結」解除を忘れていると、アナログ車両のみの運転がうまくいきません。
左がCV50=1、右がCV50=2の汽笛です。
この排気音は、小型SLには不似合いですね。
●感想
このデコーダを個人輸入するのでしたら、複数個まとめて注文すれば、かなり安く入手できると思います。
今回はモーター制御の機能を使っていないので、もったいないのですが、
SOUNDTRAXXのモーター制御なしデコーダに比べても、半分以下の値段です。
音の種類は多彩で、F0からF12まで、ファンクションキーをフルに使っています。
ちなみにライトON/OFFのF0キーを連続して2回押すと、音のON/OFFになります。
停車中のF6で、「Aboard!」という声が出ます。
排気音は力強く、BLIのQuantumサウンドよりいいと思います。
音量の増減が2ステップしかないとか、コンタクト接点がないので排気音同期がピッタリ合わない、といった不満はありますが、値段からみても使ってみる価値は十分にあります。
2004.May.12 -D-