On30の0-4-0ポーターSLをサウンド化する
バックマンのOn30 0-4-0ポーター(Bタンクロコ)に、
DCCのサウンドデコーダを組み込みます。
左側のロコがオリジナルです。
写真で見るとHOの9mmナローのように見えますが、
Oスケール(1/48) 16.5mmゲージです。
手のひらに乗るサイズですので、ロコ内にスピーカーを入れるのは難しく、
右側のようにテンダーをつなげて、これにスピーカを組み込みました。
サドルタンクはネジを外せば取れます。
キャブは床板に接着されているのをはがして外します。
モーターは上からはめこんであるだけなので、ペンチにくわえてこじれば外れます。
DCCデコーダを使うので、モーターと車輪の配線を分離します。
モーターの片側端子は、床の接点と接触しているだけなので、この床接点に直接リード線をハンダ付けします。
この接点は左車輪の集電をしています。
モーターのもう一方のリード線は、右車輪につながっているので、この線を外します。
モーター端子には再度リード線をハンダ付けします。
なおキャブ内のランプは、火室両側の接点(赤矢印)を通して、前照燈と直列につながっています。
モーター用のDCCデコーダは、DigitraxのDN121を使っています。
車輪(レール)からの配線とモーターからの配線を、8Pコネクタを介してデコーダとつなぎます。
ライトは配線の加工がめんどうなので制御していません(点灯しっぱなしです。)
後部に出ている2Pのコネクタは、テンダー側の車輪とつないで集電を安定させます。
デコーダは床下に両面テープで接着します。
これでロコ単体のDCCテスト走行ができます。
つなげるのは、ジャンク品でみつけた出処不明のテンダーです。
ヨーロッパタイプ?のHO用ですので、よくみるとヘンなのですが、全体としてはなんとか利用できそうです。
元々3軸だった中央車輪は取り外しました。
石炭を乗せている上部を切り取って、代りにプラ板で囲いを作ります。
この部分にサウンドデコーダを入れます。
石炭部分は再利用しました。
スピーカを入れるために、テンダー内部の梁を切り取ります。
車輪にはリン青銅線の集電コレクタを付けました。
集電コレクタとサウンドデコーダ、スピーカの結線の様子です。
たまたま使ったデコーダは、SOUNDTRAXXのK-27用のものです。
汽笛が甲高い音なので、小型ロコに合っているように思います。
(ただしK-27の車体は、日本のC-56より大きい)
このスピーカは金属製のボックスに入っています。
コンタクト接点の失敗
テンダーの車軸にコンタクト接点があるのが見えますが、これはシュッシュッというエキゾースト音を車輪の回転に同期させるものです。
本来は動輪に付けるべきですが、テンダー車輪の直径が動輪とほぼ同じだったので、作ってみました。
しかしこれは失敗。
接点の圧力で車輪が回転しません。
ウェイトを乗せれば大丈夫ですが、テンダーが重くなり過ぎて、貨車が引けなくなってしまいました。
それでこの方法はあきらめました。
エキゾースト音は、DCCのスロットルに同期させます。
つないでみた状態
モーターデコーダの設定
CV番号 | 初期値 (16進) | 変更値 (16進) | 変更内容 |
CV02 | 0 (x00) | 28 (x1C) | スタート電圧 |
CV05 | 0 (x00) | 100 (x64) | 最大電圧 |
CV06 | 0 (x00) | 50 (x32) | 中間点電圧 |
サウンドデコーダの設定
CV番号 | 初期値 (16進) | 変更値 (16進) | 変更内容 |
CV50 | 08 (x08) | 14 (x0E) | 音量上げ |
CV51 | 190 (xBE) | 180 (xB4) | エアポンプ音、給炭音停止 |
CV52 | 70 (x46) | 66 (x42) | エキゾースト スロットル同期 |
CV53 | 0 | 1 | アドレス指定で音出し |
CV54 | 94 (x5E) | 90 (x5A) | 自動エキゾースト同期率調整 |
CV55 | 08 (x08) | 32 (x10) | エキゾースト トーン上げ |
屋根をハルレッド色に塗って完成。
キャブに人形を乗せました。
動画
●このロコは大きめのキャブが少々アンバランスなのですが、テンダーを引かせるとそれなりにサマになります。
●サウンドデコーダとモーターデコーダを別にしているのは、一体型にするより安価なためです。
コンタクト接点を使わずに、低速から高速まで車輪の回転とエキゾースト音を一致させるのは、至難の術で、
デコーダが別で、さらに一方のスタート電圧や最大電圧を変更しているのですから、これは当然のことです。
ちなみにSOUNDTRAXX側は、スタート電圧しか設定できません。
このロコではとりあえず、低速時に合わせるようにしています。
●テンダー内のスピーカは、最初300円位の製品を使ってみたのですが、汽笛やベル音は聞こえるものの、エキゾースト音がとても小さいので、少々高価な(¥4,500位)BOXタイプのものに変更しました。
模型のサウンドシステムは、しっかりしたスピーカボックスを作ることが肝心です。
2003.Nov.11 -G-